
こんにちは、初瀬です!
今回は東京・日本橋で開催中の話題の体験型アート展
『動き出す浮世絵展』に行ってきました!
実はこの展示、パリで30万人以上を動員した大人気のデジタルアートイベントの日本凱旋版なんです。
浮世絵とデジタル演出が融合するという、まさに“動き出す”浮世絵の世界を体感できるということで、アート好きとしては見逃せない…!ということで、今回は友人と一緒に足を運んでみました。
場所は日本橋三井ホール(COREDO室町1の5階)。東京メトロ三越前駅直結でアクセスも良好。
それでは、今回の体験レポをじっくりとお届けします!
「浮世絵を“観る”から“感じる”へ」没入体験がすごい!

会場に足を踏み入れてすぐに感じたのは、まるで当時の日本の絵の中の世界に迷い込んだような没入感。
天井・床・壁すべてに様々な演出方法で浮世絵が映し出され、会場全体が一つのアート空間になっているんです。
使用されているのは最新のプロジェクションマッピング技術たち。
葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳など、日本を代表する浮世絵師たちの名作が「動き出す」のを目の当たりにすると、まるで時空を超えて江戸時代に旅したような気分になります。
そして、視覚だけではありません。音楽などと一体になった演出が空間全体に行き渡っていて、まさに“体で感じる浮世絵体験”と言っても過言ではない作品たちでした。
『動き出す浮世絵展 TOKYO』9つの展示セクションまとめ
こちらの展示では、浮世絵の世界を9つのテーマで構成し、それぞれ異なる視点から江戸の美を表現していました。
それでは早速9つのテーマについて見ていきます。
眺(ちょう)
─ 広がりゆく風景の美 ─
広重や北斎の風景画を中心に、江戸や自然の雄大な広がりをダイナミックに表現。
富嶽三十六景など名作が登場する、まさに“眺める美”の空間。
藍(あい)

─ 青の世界に包まれて ─
浮世絵を象徴する藍色の世界。波や空など、藍のグラデーションを活かした幻想的な空間演出が魅力。
麗(うるわし)

─ 美人画と桜の幻想 ─
美人画が現代の映像技術で動き出し、桜の装飾とともに幻想的な時間が流れる。繊細な女性たちの美しさに心が奪われるセクション。
遊(ゆう)
─ 江戸の遊びと賑わい ─
庶民の暮らし、祭り、街並みなど、江戸の娯楽文化をにぎやかに映し出す。生き生きとした人々の姿に思わず笑顔がこぼれる空間。
おみくじやタッチパネルでの展示など遊びの要素が盛りだくさんのセクション。
錦(にしき)
─ 錦絵の華やぎ ─
豪華な色使い、細部まで計算された構図が魅力の錦絵。浮世絵の“色の美”を堪能できる、華やかな空間。
瀧(たき)
─ 水が奏でる、癒しと力強さ ─
自然界の力と美しさを象徴する“滝”をテーマにした空間。
北斎の「諸国瀧廻り」など、繊細な水の描写が見事に再現され、糸のように細く優雅な流れから、轟音を響かせる大瀑布まで、さまざまな滝の表情が映像でよみがえる。
“水”の静と動を感じながら、安らぎに満ちたひとときを過ごせるセクション。
豪(ごう)

─ 武者絵と力強さ ─
武将や戦の世界を描いた力強い作品群が集結。動きと音の迫力によって、戦国の緊張感とエネルギーが迫る空間。
雅(みやび)
─ 雅やかな文化と静寂 ─
茶道や和歌など、江戸の上品で静謐な文化を題材にしたセクション。優雅な動きと音に包まれ、心静かに浮世絵と向き合える。
9つの映像空間のまとめ
空間名 | コンセプト | 特徴キーワード |
眺 | 広がりゆく風景の美 | 雄大・自然・景色 |
藍 | 青の世界に包まれて | 波・空・藍色の幻想 |
麗 | 美人画と桜の幻想 | 女性・幻想・華やか |
彩 | 四季の移ろい | 季節・自然・色彩美 |
遊 | 江戸の遊び | 祭り・賑わい・暮らし |
錦 | 錦絵の華やぎ | 豪華・色彩・細密画 |
瀧 | 水の美と力 | 滝・水流・癒しと迫力 |
豪 | 武者絵の力強さ | 戦・武士・動と音 |
雅 | 伝統文化の雅さ | 静・優雅・日本文化 |
展示の中で1番好きだったのは?

一番感動したのは「麗」のコーナー。美しさに圧倒されること間違いなし!
ここでは、当時の浮世絵師たちが描いた女性たちの美人画が次々に投影されており、それらが現代の技術で滑らかに動いているんです。
天井一面に吊るされた模造の桜の花が本当に綺麗で色鮮やかな作品たちの中にどこか落ち着いた日本の奥ゆかしさと展示の華やかさがマッチした空間にうっとり。
ライトアップされたその空間は本当に幻想的で、美人画と桜が重なり合う様子はため息が出るほどの美しさです。
「この時代の人々も、こんな風に春を楽しんでいたのかな」と、想像力をかき立てられる素晴らしい演出でした。
まるで絵の中の人物たちがこちらに語りかけてくるかのような、不思議な没入感がありました。
混雑には要注意。年齢層も広めで人気の高さを実感!
わたしが訪れたのは平日の夕方前頃、チケットを購入し中に入るまではかなりスムーズでしたが後半に行くにつれ混雑具合が増していきました。
来場者の年齢層も若者から年配の方まで幅広く、改めて「浮世絵」という文化の根強い人気を感じました。
ただし人が多い分、場所によってはかなり見づらい場面も。
浮世絵の繊細なディテールをじっくり見たい、静かに鑑賞したいという方には、やや不向きかもしれません。
ゆっくり見るより、“雰囲気を体感する”ことがメインの展示だと考えたほうが良いかもしれませんね。映え写真や動画を撮りに来る方も多そうな雰囲気でした。
行く前に知っておきたい注意点3つ
実際に訪れてみて、事前に知っておけばよかった…!と思ったポイントを共有しておきます。
ロッカーなし!荷物は少なめがおすすめ
会場内には荷物を預けるロッカーがありません。
近くに併設されている美術館向けのロッカーも使用することはNGで、使用しようとしたら警備員さんに止められてしまいました。
そのため、大きなバッグや買い物袋などは避け、できるだけ身軽な格好で行くのがおすすめです。
チケットは“現金のみ”対応!
当日券を購入する際は現金のみ対応という点も要注意。
最近はキャッシュレスに慣れている方も多いと思うので、事前に現金を用意しておくか、オンラインで前売り券を購入しておくのが安心です。
所要時間の目安は1時間〜1時間半
展示の規模としてはそこまで広くはないので、1時間~1時間半ほどで一通り見て回れる内容でした。
混雑を考慮しても、2時間あればゆったり楽しめると思います。
『動き出す浮世絵展 TOKYO』基本情報まとめ
開催期間: 2024年12月21日(土)〜 2025年3月31日(月)
開催場所: 寺田倉庫 G1ビル(東京都品川区東品川2丁目6−4)
営業時間: 9:30 ~ 20:00(最終入場 19:30)
アクセス:
りんかい線:天王洲アイル駅 B出口より徒歩4分
東京モノレール羽田空港線:天王洲アイル駅 中央口より徒歩5分
※東京モノレールをご利用の場合、「空港快速」は停車しません。「普通」または「区間快速」にて来館するようにしてください
車:専用駐車場なし、近隣の公共駐車場を利用。駐車場割引サービスなどはなし
チケット:
区分 | 当日券(税込) | 前売券(税込)※販売終了 |
大人 | 2,700円 | 2,500円 |
子ども(4歳以上〜中学生以下) | 1,200円 | 1,000円 |
学生(高校・大学・専門) | 1,900円 | 1,700円 |
シニア(65歳以上) | 2,500円 | 2,300円 |
まとめ

今回の『動き出す浮世絵展 TOKYO』は、想像していた以上に“動き出す”というテーマに忠実な展示でした。
混雑していたこともあり、ゆったりと鑑賞するのは難しい場面もありましたが、それでも全体としては大満足の体験でした!
浮世絵って難しそう…というイメージを持っている方にもぴったりで、手軽に・直感的に・美しく、日本のアートに触れられる貴重な機会だと思います。
個人的に印象に残ったのは、写楽の人物像。
まるで流星のように現れては消えた写楽という存在に触れ、その作品の力強さや表情の描き方に強く惹かれました。
写楽がどういう人物だったのか――そんな背景を知れるのも、浮世絵の世界の奥深さですね。
また、会場の多くの場面で「座って鑑賞できる」構成になっていたのも印象的でした。
まるで自分が一枚の浮世絵の中に入り込んでいるかのような感覚で、五感ごと江戸の世界に没入できたことが、本展の最大の魅力かもしれません。
そして、チケット代もこの内容なら十分納得。
金額的にも満足度が高く、コストパフォーマンスも良かったと感じました。
会期終了まで本当に後少しですがぜひ!
また東京が終わると次は福岡で2025年6月28日〜8月17日まで開催予定なので福岡の皆さんは要チェックですよ〜!!